病室でコーヒーはいかが?
入院生活っていろいろスケジュールが忙しいのですね。朝の検温と採血。起きて顔を洗い、朝ごはんは8時から。食事が終わると歯磨きして、私の場合はコーヒーを優雅に入れる。簡易ドリップですが。
コーヒーを入れて飲んでいると、イケメン君が来てくれて、「眠れましたか?」って聞いてくれるのですよ~~!
いやあ、正直彼にはとっても癒されて、ほんとうにありがたかったです。
男性の方が入院されて、「看護師さんが美人で~~~」って喜ぶ気持ちがよ~~くわかりました。(笑)
研修医君も何人かいるみたいですが、私の場合、触れ方でその人の資質を感じとってしまいます。どんなふうに患者さんの身体に触れるかは、とても大事なことなのです。
言葉でうまく説明できないのでもどかしいですが、イケメン君はきっとすごくいいお医者さんになると確信しています!!こんな息子が欲しい~~~~!!!
私はコーヒー中毒者なので、食後には必ずコーヒーを入れているため、コーヒー好きな看護師さんはいつも「いいにおい~~~~!!」と言ってくれるので、ああ、一杯いかが?って飲ませてあげたくなっちゃいます。
点滴していても、点滴をひきずりながら、給湯室に行ってコーヒーを入れてくるし。とうとう、めんどうなので、T-falを購入。お見舞いのお客さんにもコーヒーを入れてあげられますしね!
後で、知ったことですが、コーヒーのアロマ効果は「人に親切にしたくなる」というものらしいです!
だからみんな親切だったのかな~~~!!!
紅茶も大好きなので、欠かせません!リプトンのイエローラベルの三角のやつやら、お見舞いにいただいたアールグレイ(デカフェ)これはうれしかったなあ~~!
紅茶はいつもタンブラーに一杯いれて飲んでました。
何はなくとも、お茶とコーヒーがあればけっこう幸せな気分でいられるのでした。
単純だ!
お気楽な病人でほんとすいません!
病態は深刻なんですよ。念のため・・・・。
病気になるという事(2)
ライヴの次の日、病院へ。いきなり入院になるとも思わずに車ででかけたのでした。
血液検査の結果をみて、血液内科の担当の可愛らしい先生(注:優秀な先生です!)
が「あら~~~~!大変!入院してください。ベッド空いてるかしら~~!!」
と・・「え?今日ですか?」
「そうそう。これではおうちに帰せません。このまま入院してください。」
って・・先生、車できちゃってるんで一旦家に帰らないと~~~!
「きゃ!運転なんかしちゃだめですよ~~!だれかおうちの人に取りに来てもらってください」
あら~~そんなにひどくないのに・・。って、このころの私は高地トレーニングをしたアスリートみたいに酸欠状態に慣れていたらしく、ひどい貧血にも平気!!!
車を取りに来てくれる人もいないので、入院の用意もしないといけないし、ゆっくり気を付けて帰るので、なんとか家に帰してほしい!と先生に懇願した結果、お許しを得て家に帰してもらいました。
お約束のように、ベッドは空いてない。空いているのは個室だけ!
しょうがないです!!!
とりあえず、必要なものリストを参考に荷物をまとめました。読みたかった本もたくさんつめて。PC持って!
おまけにシンセサイザーを背中に担いで。
なんか休暇に行くみたい。なんて気楽な風情で。
案の定
「何を背負ってきたの~~~???」と看護師さんはじめ先生にもあきれられて・・。
ほんとに自覚のないお気楽な患者さんなわけですが。しょうがないよね。初めてのことだし。慣れていませんから。
こうして、突然、日常生活が分断された。今までいたところから、ぽっとつままれて違うところに置き去りにされちゃったような気分。
仕事関係に電話をしてしばらく休めるように手配する。
思っていたよりすんなりと、
いなくなれることに少し気が抜ける。
まあ、自営業みたいいなものだし、ご迷惑はおかけしているのだけれど
私がしばらく休んだからといって、世界にはそう影響もないです。
今まで、一生懸命倒れないように自転車こいで走っていたのに強制停止!
これが病気になるという事なのね。とまず感じた入院1日目なのでした。
入院した瞬間から、その人が何をしていたのか、どんな人なのか、どういう生き方をしたいのか。すべて関係なくなって、みんな平等の立派な病人になるのですね。
なんだか不思議な気持ち。
でも、新しい体験はいつでも好奇心を刺激してくれるので、不安ながらも状況をちょっと面白がってしまう私がいるのでした。
これからどうなるんだろう~~と思いつつ。
病気になるという事
2015年9月に屋久島に行き、娘と屋久杉までトレッキングしてきました。なぜかその時に行かないと2度とチャンスはないのではないかという言う気がしていたのです。
何かの予感があったのかも。
しかし、仕事は普通にしていましたし、音楽活動も忙しくライヴも月に2本くらい。リハーサルやなにやら、週末も家にいることがない日々を送っていたのです。
なんだか、体力が落ちているいるような感じはしていましたが、運動不足のせいかと思っていました。
食事をした後は、起きていられなくてソファーに横になると1時間ほど寝てしまうこともしばしば。
12月に入って、長い距離を歩くのが辛くなり、息苦しいのと脈拍が以上に上がることに不安を感じ始めました。なにしろ1階から2階にあがるだけで心臓がバクバクしてしまうのですから。
最初は、心筋梗塞の兆候かと思いました。
父が心筋梗塞だったので自分にもその傾向があるかもしれないと思ったからです。
なにしろ、家のとなりがクリニック!なのに病気になったことがなくお薬も嫌いなのでめったに行ったことがない(笑)
日曜日にライヴを控えていた金曜日、思い切っておとなりに行きました。
ライヴ中に心筋梗塞の発作を起こしたらいやだし!!!!
症状を話し、血液検査をして、心電図をとり、待つことしばし。
先生は血液検査の結果をみて「こりゃ、大変だ!すぐに大学病院にいきなさい!」
とその場で電話をかけて血液内科の予約までとってくださいました。
ヘモグロビンが7くらいになっていて、通常の半分以下のひどい貧血でした。
「できる検査はしておきましょう。首のリンパ腫れもあるし、超音波でお腹もみてみよう!」
首のリンパはたいしたことなさそうでしたが、脾臓が倍くらいにふくれておりました。
たぶんこの時点で先生は疑わしい病名がわかったのだと思います。
私はといえば、心臓じゃなくて~~貧血~~かあ!思わぬ展開にあぜん。
そういえば、その前2週間ほど雲子の色が緑っぽかったかも。変だな~~とは思ってました。そういえば尿の色も茶色でした。
赤血球が壊れて流れ出ていたんですね~~!!!
「明日、内視鏡もやっておきましょう。」
はあ~~。内視鏡、初体験です。それなのに・・上からと下からといっぺんに・・・。
翌日、内視鏡をやりました。思っていたほどつらくはなかったけれど、下剤が辛い!!!幸い内臓には何も問題はありませんでした。
さすがに明日ライヴをやっていいですか?と尋ねることはできませんでした。
だめ!といわれるに決まっている。
バンドのメンバーには何も言わずに、友人にもしもの時のサポートを密かにおねがいしておきました。
物をもって歩くと息切れがしちゃうので、友人に荷物やらみんな持ってもらって。
死ぬ気で、歌って、演奏して・・・。
なんとか、ライヴは無事にこなし、打ち上げに焼き鳥やに行って、家に戻る車の中ではもう、友人の車の中で息も絶え絶え・・・・。
というのも、このライヴは自分の仕切りだったのでほうりだすわけにはいかなかったのです。
おまけに、病気だという自覚も薄く、自分の状況を甘く見ていたのですね。
というのもこの時点では、まだ気持ちが病人にはなっていないんです。
次の日大学病院に行って、はじめて事の重大さを思い知らされるわけです。
軟弱な私のゆる~~い糖質制限
私のゆる~~い糖質制限は続いていますが、夏目せんせいのこの2冊はとても面白いので,ご紹介しておきます。
炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)
- 作者: 夏井睦
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傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)
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ステロイド ハイ
悪性リンパ腫に対する抗がん剤治療のスタンダードはR-CHOPという療法だそうです。
Rは昨日書いたリツキサンのことです。
私の場合はそれにエンドキサン(シクロフォスファミド)とオンコビン(ビンクリスチン)そしてステロイドのプレドロニゾンをくわえたR-COPというのをやってます。
H(アドリアシン)は抜いてもいいから。という先生の判断で。
Hがない分、副作用も軽くなっているらしいです。
エンドキサンは免疫抑制、オンコビンには末梢神経の障害とひどい便秘という副作用があります。末梢神経の障害というのは、手足末端のしびれで、しもやけになったときのようなビリビリ感やら感覚がにぶってしまうという困った症状が出ます。
私の場合、指先がとても大切な頭脳なのでこれには非常にまいってます。
仕事に早く復帰出るように、マッサージやらお灸やらリハビリやらでなんとか改善しようとあがき中。
ステロイドに関してはなぜ、ステロイドを使うのか疑問に思っていたのですが(治療に困ったときにはステロイド。難病にはステロイド)みたいな使い方されてる印象があったので。
調べてみると、ステロイドはリンパ球に対してアポトーシスを起こさせる作用があるので自己免疫疾患や悪性リンパ腫、白血病には効果があるようです。
もちろん大量投与はしますが短期で。というのがお約束です。
入院中ステロイドを大量に飲み始めた夜のことです。
寝る前に「テルマエロマエⅡ」のDVDを見ていたのですが、夢の中で、おすもうさんが飛ぶ飛ぶ!噴き出す温泉と共に・・ぶわ~~~~っと!!!
ぶわっはっは~~!と自分の笑い声で目が覚めた。
可笑しくて目が覚めるって・・。
また寝ると、今度は自分の中のリンパ系がキラキラと体の中を流れているのが見えて、自分は裸でヴィーナスみたいに頭に花のかんむりを載せて気持ちよくブランコに乗りゆれている。という、どう考えても頭がおかしくなった様子の夢をみる。
しかも、目が覚めて夜中にそれを絵に描かなくてはという気がして、おもむろに絵を描き始めるのでした。
翌朝、イケメン君が回診にきて「眠れましたか?」と聞いたので
「いやあ、テルマエロマエの夢みちゃって、可笑しくて、笑って目が覚めました!」
という話をしました。さすがに恥ずかしくて、裸でブランコに乗っていた話はできなかった・・・。(笑)
イケメン君は笑いながら「そりゃ、ステロイドハイですね。気分が高揚してハイになっちゃうんです。眠れなかったら言ってください。お薬だしますから。」
ステロイドハイってあるんだあ~~!恐れながら、初めて聞きましたわ。
いやあ、しかし面白くて、薬飲んで寝ちゃうなんてもったいないっす!
次の夜は寝る前に「かもめ食堂」と「シェフ」を見たもんで、夢の中ではすっかりレストランをやる気になっていて、それも前からやりたかった子供食堂(夕ご飯を一人でたべなくちゃならない子供たちが、子供だけで食べにきてもいい食堂)のリアルな夢をみた。
飛び起きて、具体的な店の見取り図やメニューを書きはじめてしまいました。
こうして、ステロイドハイの間、あたしゃ天才じゃないかと思うくらい、いろんなアイディアが出てくる出てくる。絵も描くし、曲も書くし。なんでもできる!って気になって、めちゃめちゃ元気!
躁状態ってこういうことだったんですね~~!!はあ~~!
流石にステロイドハイも最初よりはだいぶ落ち着いてしまいましたが。
そして、ハイのあとは疲れからステロイドの投薬期間終了とともに静かに欝がやってくるのでした。
ちなみに今はステロイド期です!!!!
そして抗がん剤治療2日目
今日は抗がん剤治療の2日目です。
昨日も来たのに、また今日も。入院、お泊りしたほうが楽なのに・・。
幸い病院が近いので助かります。バスと電車で30分で来れますから。
化学療法室には、テレビ付きリクライニングのベッドが10個くらい並び、ベッドも何台かあります。
それでも、朝9時からは満杯になっています。お年寄りから、若い人も、中には背広来た人もいらっしゃいますが、お年寄りの男性には大抵、奥様が付き添いで隣にいます。
ベッドに横なる前に読みたい本と、ペットボトルのお茶と、テレビのイヤホンを用意して、小さいテーブルに置きます。これで準備万端!
昨日から読んでるのはこちら。以前に買って1回読んでいるのですが読み直し。
実は自分の子供に(もう大人ですが)発達障害があるのではないかと疑っていて。
子供の頃にいろいろ気が付いていたら、もっとベターなかかわり方ができたのではないかと思います。曲がりなりにも一応社会人になって、3人とも元気に仕事をしているので一安心ではあるのですが、やっぱり3人とも変わっているかも。
そして、本の帯には「あなたのことです」って書いてあります(笑)
ああ、私のことかも。
じっとしているのが苦手です(笑)
興味のあることしかやりません(笑)
今ではなんでも障害という名前をつけてしまいますが、それも良かったり、悪かったり。変わっていたっていいじゃないかと思います。変なやつとか、あいつ変わってるからとか。仲間外れにしたり、いじめたり、そんな風にあつかってほしくないですよね。
変わってる人が、あなたに迷惑をかけたり反社会的だったりしないかぎり、そっと見守ってあげましょう!!
みんなどこかしら変わっていたりするから面白いと思います。
発達障害があると空気読むのがへただったり、人の言葉の裏の意味がわからなかったりするので、そのことで人間関係に傷ついたり、恐怖を感じたり、人間不信になったりしてしまいます。ストレスに弱いという特性もあります。きっと生きていくのが大変だろうな・・・。特に日本人のコミュニケーションでは、はっきりものを言わないし。察するというのが良しとされるわけですから。本音と建前があるし。
「ホワ~~~イ!ジャパニーズ」
日本人、難しすぎます!!!!
京都で近所の奥さんに「ぼっちゃん、ピアノがずいぶんうもならはりましたなあ~~」
と言われて「そんなことないですよ~~~」なんて嬉しそうに言ってはいけません。
「下手くそなピアノが聞こえてうるさいわよ!」という意味だそうです。
日本語、難しすぎます!!!
なんて、読書しながら考えてしまいました。
抗がん剤治療にもだいぶ慣れた。
緩い糖質制限にシフトチェンジしたせいか、だいぶ体調が戻りました。
昨日の血液検査で判明したことには、体調が悪かったのは糖質制限のせいではなかったかも・・という結果でしたが。
CRP(炎症反応)の数値が少し高かったので,なんらかの炎症がおきていたみたいです。そのせいで頭痛、発熱、だるさがあったのです。
あらまあ、自己診断はいい加減なもんですね。(笑)
むしろ肝臓の数値やアルカリフォスファターゼ(腫瘍があると高くなる)なんかは数値が改善していました。
ひょっとしたら糖質制限には効果があったのかも。
というわけで、臨機応変、日和見主義な私は緩くも糖質制限を続けることにしたのでした。
ただ、朝ごはんにはブランシリアルにヨーグルトみたいなのはどうも辛いので。朝はやはり納豆にご飯!!!これは死守したい!
昨日と今日は抗がん剤治療。
昨日はリツキサン。このリツキサンというお薬は悪性リンパ腫のB細胞に特異的に作用してB細胞が赤血球を破壊するのを阻止します。
「リツキシマブは、抗ヒトCD20ヒト・マウスキメラ抗体からなるモノクローナル抗体であり、その製剤は分子標的治療薬のひとつとして抗がん剤などとして使用されている。製剤としてのリツキシマブが注射剤であり、日本はリツキサン®は商品名。(ウィキペディアより)」
イケメンで優しい研修医君は最初の抗がん剤治療の時にビビッている私を安心させようと、絵を描いて説明してくれました。CD20が陽性になってるB細胞にはひげのような手がたくさん出ていて、その手にくっついてロックオン!しちゃうのがリツキサン!
これで、B細胞の暴走を阻止します!ってね。
これを、分子標的治療薬といいます。他の抗がん剤にくらべ副作用も少なく、確実に効果をあげることができます。
しかし、医学の進歩はすごいですね。保険適用になってまだ13,4年くらいですが、保険適用でもお高い薬です。1回分25万円くらいします~~~!!!おおお~~!!
この薬によって悪性リンパ腫、とくにB細胞由来のやつは飛躍的に治療成績があがったわけで、もし、この病気になったのが15年前だったら私はきっと助からなかったでしょうね~~!!
10年ほど前に悪性リンパ腫になった友人は、私が同じ病気になったと聞いて「リツキサンを使ってもらえ!」ってすぐに言ってくれました。彼が病気になった当時はきっと、まだ画期的な新薬だったでしょうし、彼の病気にも間に合ってくれていて有難い事です!
10年後。20年後。医学の進歩はどんなことになっているのでしょう。
楽しみでもあるし、怖いような気もします。
病気の当事者にとってはとてもありがたい事ですが、長生きするのはいい事ばかりではないですものね~~!!
もう少し長生きするのなら、元気でファンキーなおばあちゃんになって世の中の役に立たねばと思うのでした。